今回、いつも釣りをしている都市河川で、野草採集を楽しんだ。運良くノビルを発見したので、採集方法から下処理、料理方法までを解説したい。11月に入って気温も下がってきたが、まだまだ採集できる野草はある。
野草ノビルとは?
学名:Allium grayi 分類:ユリ科ネギ属
別名:コビル・タマビル・ヒルナ・ヒロコ・メビルなど
生態
田畑のあぜや土手、路傍などに群生する多年草。晩秋に芽を出して越冬し、翌年の初夏に花を付け、夏に地上部が枯れる。日本全土に分布
特徴
●形状:小型のネギ状で、数本~数十本がかたまって生える。葉の高さは20~30cm内外だが、花茎は50~80cm内外になる。
●葉:断面が三日月型で、中は空洞。長さ20~30cm内外。
●花期:5~6月頃、50~80cm内外に伸びた花茎の先に散形花序を出し、白色、又は淡紅紫色の花を付けるが、花は咲かずムカゴ(珠芽)になる物が多い。
●その他:地中の鱗茎は白色の類球形。
見極め&掘り方のコツ
全体に強いニラの匂いがある。
鱗茎を掘りとる時は、葉を握って引き抜くと途中で切れやすいので、スコップで掘る様にしたい。「アサツキ」に似るが、アサツキは葉の断面が円形で、鱗茎がラッキョウ型。
調理法
おひたし・和え物・生食・汁の実・薬味・天ぷら・漬物・炒め物
アク抜きする必要はない。
今すぐ使える山菜採りの教科書|大海 淳
今回、文字通り筆者の「教科書」である「いますぐ使える山菜採りの教科書」から、ノビルについて引用させていただいた。
この教科書の素晴らしさを、少し紹介させて欲しい。
特に筆者が気に入っている部分は「山菜の特徴」を写真付きで細かく解説しているところだ。
野草や山菜には、似ているけど違う植物が多く存在する。
そんな植物と、野草・山菜を区別するのに、この本の「山菜の特徴」が役に立つ。
是非、皆さんにも手に取っていただきたい1冊だ。
さらに、山菜採りにおいては、スコップは必需品。携帯に便利な「折りたたみ式」がオススメだ。
ノビルの採集方法
ノビルの採集方法は教科書から引用した通り、鱗茎をスコップで掘り出すのだが、まずは「群生地」を探すことが重要だ。
これはもう、足繁く採集場所に通い、群生地を見つけるしかない。
今回は都市河川の土手で採集したが、発見できたのが土手の斜面で日当たりが良い場所だった。
護岸化されている、コンクリートの隙間に堆積している土壌部分に自生していた。
数本から数十本がかたまって生えるので、見つけやすいはずだ。
ノビルは鱗茎が美味しい。
その為、鱗茎をスコップで傷つけないように慎重に掘り進めていく。
すると、こんなに綺麗に掘り出すことができる。
ノビル採りは、この作業が楽しいのだ。
大きな鱗茎が採れたときは、正直テンションが上がる。
1食分程度を採集して、本日の野草採集は終了とした。
野草や山菜は、食べる分だけ採ることが望ましい。
ノビルの下処理
まずは、ノビルに付いている泥を落とす。
筆者はバケツに水を入れて、その中で泥を洗い落としている。
この時に、ノビルの根(鱗茎の下に生える髭部分)も取り去ってしまおう。
洗い終わった後、包丁で切り落としても構わない。
次に葉の枯れている部分を取り去る。
その後、大まかにゴミや汚れを洗い落とせば、下処理は完了。
こうなると、もう食材にしか見えなくなってくる。
食べるのが楽しみだ。
ノビルの調理法
本日のメニューは、ご飯のお供にも最適「ノビルの味噌にんにく炒め」を調理していこうと思う。
レシピは以下のとおり。
- ノビル(適量)
- 酒 小さじ1
- 砂糖 小さじ1
- みりん 小さじ1
- 味噌 小さじ2
- 醤油 小さじ2
- にんにくチューブ 適量
調理手順
- ノビルを一口大に切る。
- 酒・砂糖・みりん・味噌・醤油を混ぜ、合わせ調味料を作っておく。
- フライパンに油を熱し、にんにくチューブ適量を入れ、ノビルを炒める。
- 炒めたノビルに、合わせ調味料を絡ませれば完成。
超簡単なレシピだ。しかし、これが抜群に美味いのである。
皆さんも、是非試していただきたい。ご飯が進むこと間違いなしだ。
まとめ
今回採集したノビルは、ポピュラーな野草でありながら、抜群に美味い。
調理方法も多彩なため、初心者にもオススメだと思う。
土手を散歩して、季節を感じながら野草採集を行えるなど、贅沢な時間だ。
土手には様々な生物も生息している。飽きることなく採集を楽しめる。
ノビル採集中にイナゴを発見した。ごめん、今回のターゲットは君じゃない。また今度食べてあげよう。
今後も、色々な野草の採集方法、下ごしらえ、調理方法などを、筆者なりに伝えていきたいと思っている。
以上!採集おわり!
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